日本の夏は湿度が高く「着物を着るのが辛い」と感じてしまう人も少なくありません。
ただし適切な対策を知っていれば、快適に夏を過ごせます。
この記事では、暑い夏でも着物を快適に着こなす対策や、便利グッズ・汗対策について解説します。
おすすめの着物デザインも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
暑い夏こそ着物対策が必要
日本の夏は湿度・気温が高いため、普段から着物を着用している人は、暑さ対策に力を入れることが重要だとご存じでしょうか。
なぜなら夏には、次のようなリスクがあるからです。
- 暑さや湿気により体調不良が起きやすい
- 汗や湿気のせいで着物の生地にダメージを与えやすい
対して夏の着物対策をすれば、着物のダメージを抑えられるのはもちろん、着用者の快適さと健康を維持できるのが魅力です。
普段と変わらない状態で着物を着用しようとしている方は、ぜひこの記事をきっかけに暑さ対策を始めてみてください。
夏場に起きやすい着物トラブル
夏場に起きやすい着物トラブルを3つ紹介します。
夏場に着物を着用するリスクを知っておきたい方は、参考にしてください。
トラブル①熱中症
夏場に着物を着る際には、熱中症に注意しましょう。
日本の夏は高温多湿なため、体温が上昇しやすくなります。
着物は伝統的な衣装であり、通気性が良い素材を選んだとしても、重ね着や帯の締め付けなどで体温調節が難しくなるケースも少なくありません。
トラブル②汗蒸れ
夏場に着物を着る際に、気をつけたいのが汗蒸れです。
日本の夏は蒸し暑いため、汗をかきやすくなります。
また、着物は体に密着する部分が多く、通気性が悪いと汗が蒸発しにくく蒸れやすいのが特徴です。
汗蒸れは不快感を感じるだけでなく、肌や着物の生地にダメージを与えるので十分に注意してください。
トラブル③着物の汗シミ
着物の汗シミは、汗が着物に染み込むことで発生するトラブルです。
とくに多く汗をかく夏場には、次の汗シミトラブルが発生します。
- シミの部分の色が変わる
- 汗シミにより素材が劣化する
汗が染み込むと時間が経つにつれてシミが広がり、素材を劣化させるだけでなく、着物の美しさを損なうおそれがあります。
汗シミは一度発生すると完全に取り除くのが難しいため、予防が重要です。
暑い夏にできる着物対策5選
夏でも着物で快適に過ごしたい方向けに、暑い夏にできる着物対策を5つピックアップしました。
「着物を長持ちさせたい」「夏に最適な着物対策を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
対策①冷感素材の着物を選ぶ
暑い夏を着物で快適に過ごしたいなら、冷感素材の着物を選びましょう。
冷感素材は、肌に触れたときにひんやりとした感触を与えるため、暑さを和らげる効果があります。
例えば、ポリエステルやナイロンで作られた着物は冷感加工が施されており蒸れにくいので、暑い夏におすすめです。
「暑さを和らげてくれる着物が欲しい」という方は、ポリエステル・ナイロン製の着物を選んでみてください。
対策②通気性の良い素材を選ぶ
通気性の良い素材を選ぶことで、暑い夏でも快適に着物で過ごせます。
通気性の良い素材の着物を探しているなら、次の素材がおすすめです。
- 麻
- 綿
- 絹
麻や綿は通気性が良く、汗をかいても蒸れにくい特徴があります。
また、絹も通気性が良い素材のひとつであり、自然素材の効果で、汗をかいてもべたつかないため、夏でも快適に着用できます。
ただし、絹はデリケートな素材であるため、取り扱いに注意が必要です。
通気性の良い素材の着物を選ぶ際には、実際に試着してから購入を検討しましょう。
素材の質感や軽さを確認することで、自分に合う着物をみつけられます。
対策③吸水性の良い下着・インナーを着る
暑い夏でも着物を快適に着たいなら、吸水性の良い下着やインナーを着用することが重要です。
例えば、吸水性の良い下着・インナーには、次の効果があります。
- 汗を吸収し、肌を乾燥させる
- 汗や蒸れによる不快感を軽減する
- 着物の内側が湿るのを防ぐ
綿や麻などの天然素材は吸水性が高く、汗を素早く吸収して肌を乾燥させ、蒸れによる不快感を軽減してくれます。
また、着物の内側の湿りが気になる方には、吸水速乾性に優れた化学繊維の下着・インナーがおすすめです。
最近では、吸水性の良い下着・インナーがECサイトなどで購入できます。
着物のデザインやフォルムに合った素材感の下着やインナーを探してみてください。
対策④保冷剤を持ち歩く
暑い夏に着物を快適に着たいなら、保冷剤を持ち歩くことが効果的です。
例えば小さな保冷剤を数個用意してハンカチやタオルに包んで持ち歩けば、外出先でも使用できます。
体に熱がこもりやすいという方は、以下の部位に保冷剤を使用してみてください。
- 首
- 脇の下
- 背中
また、暑さによる不快感を軽減できるのもメリットです。
保冷剤を使用する際には、直接肌に当てるのではなく、布やタオルで包んで使用しましょう。
冷たさが和らぎ、肌への刺激を軽減できます。
対策⑤着物に似合う日傘を持ち歩く
着物に似合う日傘を持ち歩くことは、暑い夏を着物で過ごす人にとって有効な手段です。
日傘は、直射日光を遮り、体感温度を下げるのに役立ちます。
とくにUVカット機能が付いた日傘は、紫外線から肌と着物を守り、日焼け防止の効果があるのでおすすめです。
また、着物に似合う日傘を選ぶ際には、デザインや色合いに注意を払いましょう。
伝統的な和柄やシンプルな無地のものなど、着物の色や柄に合わせた日傘を選ぶことにより、全体のコーディネートが美しくまとまります。
さらに、日傘を使用することで、暑さによる疲労を軽減できるのもメリットです。
ぜひ、着物と相性の良い日傘をみつけて、夏の着物ライフを楽しんでください。
夏におすすめの着物デザイン
夏におすすめの着物デザインを3つ紹介します。
まだ夏用の着物を購入していない方は、参考にしてみてください。
涼しい単衣を選ぶ
暑い夏には、涼しい単衣(ひとえ)がおすすめです。
単衣とは、裏地がなく一枚仕立ての着物を指し、とくに5月から9月の暑い季節に適しています。
単衣着物は軽やかで通気性が良く、涼しさを感じられるのが特徴です。
夏らしさを演出するためにも、単衣着物のデザインを意識して選びましょう。
参考として、おすすめのデザインをまとめました。
- 流水柄
- 花火柄
- 金魚柄
夏の着物は、流水や花火、金魚などの夏の風物詩をモチーフにした柄が人気です。
また、シンプルな無地の着物も、帯や小物でアクセントをつけることでおしゃれに着こなせます。
単衣は、涼感を保ちながら美しい着こなしが可能です。
夏の暑さを和らげるために、ぜひ涼しい単衣着物を取り入れてみてください。
透け感のない絽を着用する
透け感のない絽(ろ)は、夏らしさを演出するのに最適な着物のひとつです。
絽は、薄手で通気性が良い織り方が特徴ですが「透け感が気になる」という方も少なくありません。
密度が高い絽は、透けにくく上品な光沢があるのが魅力です。
「大人っぽさを演出したい」という方は、透け感のない絽を上手に取り入れて、夏の着物スタイルを快適かつエレガントに楽しんでください。
季節に合う濃い色の着物を選ぶ
夏におすすめの着物を探しているなら、季節と相性の良い濃い色の着物を選びましょう。
例えば、次の色の着物が夏におすすめです。
- 紺
- 濃緑
- 濃紫
- 墨色
- 濃赤
ピックアップした5つの色は、夏の強い日差しの中でも落ち着いた印象を与え、涼しさを感じさせる効果があります。
また、濃い色は汚れが目立ちにくいのが魅力です。
着物で夏を楽しみたいなら、夏らしさを演出できる濃い色の着物を選びましょう。
まとめ
本記事では暑い夏の着物対策と、便利グッズや汗対策を紹介しました。
結論として、暑い夏でも着物対策を実践すれば快適に過ごせます。
また、着物や自分の命を守るためにも、便利グッズや汗対策の活用が欠かせません。
「まだ夏用の着物を購入していない」という方は、ソメトオリで夏用の着物を探してみてください。